【読み物】子どもの頃の不思議な話
幼稚園のころ、山梨県の富士吉田に住んでいました。
住んでいたマンションの敷地にはお稲荷さんがあり、周りは林で囲まれていました。
その空間は不気味さはないれど、神々しいというか不思議な雰囲気がありました。
そして、マンションの駐車場のすぐ下には川(大きめの用水路)が流れていました。
同じマンションの子と自転車で駐車場を走り回って遊んでいた日のことです。
駐車場の端まで行くと川が見えるのですが、何かが川にいることに気がつきました。
何かとは女の人でした。旅番組で湯船に浸かる女性のように白いバスタオルをまいていて、川の真ん中に座っています。水を浴びる姿がなんだか優雅に感じました。
幼い自分は、不思議な気持ちでそれを見つめていたのですが、いつの間にか女の人は消えていました。
そして、それは20年近くずっと記憶に残り続けています。
今の今まで、女の人は頭がおかしい人か幽霊かというのが自分の結論だったのですが、ふと気がつきました。
あれは狐だ。
水浴びをするお稲荷さんだったのだ。
今はこの結論でとても納得しています。
なんだか、20年ごしにすっきりした気分です。